2013年12月19日木曜日

万城目学『偉大なるしゅららぼん』を読み始めた

→通常のカバーの上に、映画版の特装カバーが付いているとは、粋な計らいだな。

今か今かと文庫本化されるのを待った本作。『とっぴんぱらりの風太郎』が出たあたりで、しゅららぼんの文庫本が来るかと予想していた。

タタンタタンと、小気味よく線路を駆け抜けてゆく電車のように、万城目氏の文体は読みやすい。20ページがあっという間だ。
そして、他の作品でも感じる夢とうつつをたゆたうような絶妙な世界観。ぶっ飛びすぎたファンタジーでもなく、かといって現実すぎてもいない。心地よさが何とも言えない。
100ページ読んだところで、タイトルの謎の擬音に近い言葉が出てきた。ばぼぼぼぼぼぼぼん!と、いったい何事かと思った。

他の作品とは違って、本作の主人公は百鬼夜行に巻き込まれるパターンではなく、彼自身の出生に謎があるようだ(半ば巻き込まれているんだけどね)。淡十郎といい、主人公を取り巻く人物がまた個性的で、今後どのように物語を盛り立てていくのか、胸が躍る。